ユーロ2004 予選D組 オランダVSチェコ

<途中、筆者あまりにもの好試合に興奮し(笑)、記憶障害を起こしたので、ハイライトを見て加筆修正いたしました。(笑)>
死のグループD第2節。この試合に先立って行われたドイツVSラトビアスコアレスドローラトビア、侮れん。これにより、この試合チェコが勝てば首位通過決定。オランダが勝てば4チームすべてにチャンスのある大混戦模様。
そんな試合、キックオフから仕掛けたのはチェコ。中盤がめまぐるしく動きながらチャンスを作る。オランダは今日もスロースターターぶりを発揮か。。。と思った瞬間、右サイドで得たFKをロッベンファーサイドに蹴りこんだところにバウマが走りこんできてシュート。ゴール。呆気にとられるチェコ。何であんな簡単に裏取られるのか?多分ポボルスキがマークだったのではと推測されるが、とにかくあっさりと先制ゴールを決めてしまったオランダ。
そしてこのゴールで流れは一気にオランダへ。ロッベンが左サイドからチェコの守備陣を切り裂けば、セードルフダーヴィッツが2列目からシュートやらスルーパスやらで大攻勢。そして19分、その左サイドをロッベンがドリブルで上がっていくとDFをひきつけて折り返し。走りこんできたファン・ニステルローイが蹴りこみ2点目。これまたドフリーでやんす。チェコの守備陣、大混乱。セットプレイ時のマークや、自分のゾーンの確認が出来てないのではないだろうか。DFラインとGKの間のスペースに出たボールをお見合いしたりしてるし。監督もこの惨状にすぐ動く。1戦目同様グリゲラに替えてシュミツェルを準備。その交代直前にコクーの不用意なパスをカットしたバロシュがドリブルで切り込み、切り返してDFをかわすと中のコラーにパス。コラーはこれを冷静に決めて1点差。その後交代。
しかし、状況はあんまり変わらず、この交代で少し低い位置に下げられたポボルスキがガンガン上がりすぎるものだから(この試合は引いて守られたラトビア戦とは状況が違う)、その裏をロッベンにいいように使われ、しまいにはロシツキがそこをケアに行かなければならなくなる。こうなると、変幻自在なチェコの中盤が機能しない。前半はこのまま終了。
後半は、しばらく前半と同じ状態が続く。この状態を変えたのがひとつの選手交代。後半15分ごろ、オランダのアドフォカート監督が選んだ選択肢は今日絶好調のロッベンを下げてボランチのボスフェルト投入。なに???なぜ???守りに入るには早いし、第一オランダのチームカラーにそぐわないでしょ、と。交代を命じられたロッベンも納得いかない表情を浮かべて下がっていく。こんな交代をすれば当然バランスが悪くなるし、チェコ側から見て右サイドの脅威が減ったので、ポボルスキも上がりやすくなる。そして当然の結果として、次第に流れはチェコ側へ。
チェコはこの機を見逃してなるものかと一気呵成にガラセクに替えて初戦でも活躍したヘインツを投入。オランダも突然のフォーメーションに戸惑いながら、とりあえず引いて陣形を立て直そうと必死になるが、修正が追いつかない。そしてついにチェコが追いつく。ネドヴェドがクロスを上げ、それをコラーが後ろに落とす。そこに走りこんだのはバロシュバロシュは見事にボレーでゴールに叩き込んだ。こうなるとチェコはイケイケモード。最後はヘインツのミドルシュートファン・デル・サールがはじいたところをポボルスキがつめて中で待つシュミツェルに渡し、それを冷静にシュート。ついに逆転。このあとオランダもスタム大作戦*1を行うも、時すでに遅し。そのままタイムアップ。
それにしても、何であそこで守りに入るかねぇ。。。そしてよりにもよってロッベン下げるかねぇ。。。何を考えてるのかわかりませんわ。これでチームはバラバラになる可能性も。以外にラトビアが決勝Tに上がってきたりして。(笑)
一方、チェコはこれで1位通過決定。今大会初の通過チームとなりました。ただ、心配なのが、守備陣の乱れとクロスの精度。逆転勝ちしたものの結局この課題は解決されてないのよねぇ。。。これがきちっと合ってくれば、前評判どおり、優勝争いに加わってくるでしょう。

*1:終了間際、タッパのあるCBを最前線に入れてパワープレイでゴールをねらうことを一部では"○○大作戦"と呼ぶ。なお具体的な例としてはコンサドーレ札幌の曽田を同様に最前線に出す"ソダン大作戦"がある。