今年のセレクトセール

日本一の規模を誇るサラブレットの生産グループ・社台グループの主催する当歳馬のセレクトセールが昨日・今日と行われます。
今年の注目はポストサンデーサイレンス。94年の産駒デビューから瞬く間に日本の生産地図を塗り替えてしまったモンスターサイヤーであったサンデーサイレンスがなくなって早2年。その産駒デビュー以降いままでどんな血統だってSSが父ならば高い値段が付いてしまうというバブル状態だった競走馬市場が迎えるはじめてのSSのいないセレクトセールということで注目が集まった今年のセール。生産者側は戦々恐々と迎えたに違いないでしょう。
しかし、意外にもといっては失礼か、初日でまさかのことが起きてしまいました。
http://www.nikkansports.com/ns/horseracing/f-hr-tp0-040712-0011.html
なんと史上最高額馬が誕生。どんなサンデーサイレンス産駒でも超えられなかったバブル経済期のサンゼウスの記録を破ってしまいました。
競り落としたのはフサイチ冠号で有名な関口房朗。自分の経営するベンチャー・セーフネットの入社式で闘牛を呼んだり、ボブ・サップを呼んだりと言うことでも話題になってるのでご存知の方もいるかと思います。
その関口氏が落としたのがオークス馬で天皇賞馬でもあるエアグルーヴを母にもつ、SSの子供ダンスインザダークの子供。
しかし、生まれたばかりのこの馬に4億9千万も出すんかい。。。(^^;;
サンデーの子供では現在一番活躍馬を出しているのがこのダンスインザダークだとはいえ、その活躍はSSを上回るものではありません。たしかに今までSSと交配していた優良牝馬が相手になることでこれまで以上の活躍も見込まれます。
ただ、それを入れてもそんなに値段が上がるものかなぁ。。。よっぽどいい馬体してたんだろうな、とでも思わなければ説明が付きません。
100歩譲って、仮にダンスインザダークが父であるSSと同等の種牡馬としての能力があると仮定してみましょう。競走馬の能力の大部分が血統や馬体によるものだということは否定しません。ですが、なんといっても競走馬はデビューして、無事走ってナンボということです。これくらいの馬ならもしデビューできなくても種牡馬入りという道もあるかもしれませんが、少なくても現役馬としての活躍が約束されているわけではないということです。実際、数年前3億で取引された母フランクアーギュメントのSS産駒は1歳児に致命的な故障をして、デビューこそしたものの結果は残せませんでした。
さてさてどうなるか。今後に注目です。

まあ、ここの部分だけ上げると、SS不在は杞憂に思えるかもしれませんが、重要なのはそれ以外の馬。実際去年まではサンデーとそれ以外の種牡馬の産駒の値段はかなりの差がありました。
高額馬や話題馬以外の取引馬がどうだったか。それを含めた上でどうか、というのが、今回のセールの成否を決めることになるかと思います。